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糸が紡いだ、ひとつの夢
2026年8月8日、今日は皆さまに嬉しいお知らせがあります。『糸が紡ぐ十二の季(とき)』が京都で展示されます。
このたび、織物で創作した作品が入選し、京都で展示されることになりました。会期は8月17日(月)から22日(土)まで、京都芸術大学 ギャルリ・オーブにて展示されます。
今回、私が何より嬉しかったこと。
それは、自分自身が一番好きな技法で創作した作品が評価され、京都の地で、多くの方に見ていただけることになったことです。
工芸でもない。
かといって、従来の意味でのアートだけでもない。
「手織り」というものを使いながら、一冊の本を読むように、色と素材と言葉で物語を綴っていく。
そんな、私自身が大切にしている表現のかたちを受け止めていただけたことが、本当に嬉しく思います。
そして、この作品には、私自身の長い時間が込められています。
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2017年の私へ。
私が「テキスタイル」という新しい世界に出会ったのは、2017年でした。
それまでの自分にはなかった世界との出会い。
そこから少しずつ興味が深まり、2021年、実際に「織る」ということに挑戦し始めました。
最初の頃に取り組んだのは、綴れ織り。
糸を一本、また一本と重ねながら、色や形をつくっていく。
その時間の中で、私は少しずつ「織ること」の面白さに惹かれていきました。
そして、2026年。
あの日の小さな選択が、こうして一つの作品となり、京都で展示されることになりました。だから今、2017年の自分に伝えたい。
「あの日、テキスタイルに出会ってくれてありがとう。」そして、あの日の私へ。
「あなたの選択は、2026年に夢をひとつ叶えたよ。」そう伝えたいと思います。
最高の2026年の夏になりました。
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「糸が紡ぐ十二の季(とき)」― 染色とことばで綴る、一年の物語 ―
一年という時間は、同じ日が一度として訪れることのない、色彩の旅なのだと思います。
春の芽吹き。
夏の光。
秋の実り。
冬の静けさ。
季節は少しずつ移ろいながら、私たちの暮らしの中にさまざまな色や記憶を残していきます。「糸が紡ぐ十二の季(とき)」は、そんな一年の移ろいを、糸と色と言葉で表現した作品です。
綿、麻、絹、ウール。
異なる素材を用い、植物染色によって生まれた豊かな色を重ねながら、一月から十二月までの十二の季節を、一枚ずつ織り上げました。十二枚の小さな綴れ織りや平織りは、それぞれが一ヶ月を表しています。
鮮やかな色のコントラスト。
糸がつくるリズム。
素材の違いから生まれる表情。それらを重ねながら、その月に宿る空気や感情、そして記憶を表現しました。さらに、額の余白には、それぞれの月に寄り添う言葉を添えています。色だけでは語り尽くせない時間の記憶を、言葉によって静かに紡ぐためです。
一枚ずつ眺めれば、小さな風景。
十二枚が並ぶと、一年という大きな旋律。
そして、作品を見る人それぞれの記憶や季節と重なったとき、そこにまた新しい物語が生まれていく。そんな作品になればいい。そんな想いを込めて、創作しました。
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会場では、14個のフレームが、ゆるやかに円を描くように配置されています。十二ヶ月の物語に加えて、そこに流れる時間や余白も含めて、一つの作品として感じていただける展示になっています。もし京都へお越しになる機会がありましたら、ぜひ会場にお立ち寄りください。
そして、もし作品の前で足を止めていただけたなら、あなた自身の「季節の記憶」を重ねながら、ゆっくりと眺めていただけたら嬉しいです。
糸から始まった小さな物語が、京都で誰かの心に触れる。そんな夏になることを願っています。
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展覧会のお知らせ
作品名
「糸が紡ぐ十二の季(とき)」
― 染色とことばで綴る、一年の物語 ―
会期
2026年8月17日(月)〜8月22日(土)
会場
京都芸術大学 ギャルリ・オーブ 京都瓜生山キャンパス 人間館1F
ぜひ、会場でご覧ください。
季節の記憶を織るコースター
初夏の香りがするこの季節に、新たな試作品ができました。それは「自然を糸にする」ことをテーマにした織物のコースター。
経糸には繊細な麻糸を張り、緯糸には季節の草花をランダムに重ねながら、自由で軽やかなリズムを感じるままに織り込んでいきます。ところどころに麻糸も重ね合わせ、素朴な平織りでゆっくりと形にしていきます。
草花を一本ずつ織り込むたびに、布の上に小さな風景が生まれていくようで、次はどんな模様を描こうかと創造が膨らみます。そして、自然と向き合いながら織る時間は、発見に満ちていて、心が弾むひとときでもあります。
今回織り込んだ植物は、爽やかな香りで親しまれるレモングラスと、野菜のとうもろこしの皮。普段は何気なく目にしている植物たちも、織物の中に取り込むことで新たな表情を見せてくれます。
初夏は草花が勢いよく芽吹き、新緑の輝きがひときわ眩しい季節です。
生命力にあふれる植物たちに触れながら織ることで、私自身も自然から力を分けてもらっているような気持ちになります。
まるで植物標本を残すように、一枚一枚のコースターへ季節の記憶を織り込んでいく。
そんな試みを楽しみながら、今日もまた新たな表現を探しています。
DESIGN WEEKEND FUKUOKA Vol.0 2026年 新たな活動、出会い、そして景色へ
2026年。新緑の光が街をやわらかく包み込む季節に、新たなプロジェクトが静かに動き始めました。
その名は「デザインウィークエンド福岡」。
福岡のまちを巡りながら、多様なデザインや表現に出会う回遊型のイベントです。若い感性を持つクリエイターから、長い年月を重ねて表現を磨いてきたデザイナーまで。それぞれの視点や思想が交差しながら、福岡という土地に息づく“ものづくり”の魅力を発信していきます。
会期は、5月28日から31日までの四日間。
LAFSKETCHの高橋美穂子は、プロジェクトマネージャーとして、この新たな挑戦を支えています。
振り返れば、2007年より事務局として携わった「デザイニング展」が2014年に幕を閉じ、その後2015年には、発起人としてホテル型アートフェア「アートフェアアジア福岡」を立ち上げました。そこから11年の時が過ぎ、多くの人や表現と出会いながら積み重ねてきた時間は、今回のプロジェクトにも静かに息づいています。
そして今、新たに集まったプロジェクトメンバーたち。それぞれが想いと力を持ち寄り、この四日間のために丁寧に準備を重ねています。単なる展示イベントではなく、人と人、感性と街がゆるやかにつながっていく場になればと願っています。
初夏の風を感じながら、ぜひ福岡の街を歩いてみてください。
きっとその先で、心に残るデザインや、新しい感性との出会いが待っています。
詳細はこちら https://weekendfukuoka.design/
椅子とテキスタイル、その静かな対話。DESIGN WEEKEND FUKUOKA 「椅子と日常展」へ初出展
2026年の5月、福岡のまちを巡るデザインイベント「DESIGN WEEKEND FUKUOKA」が開催される。その会場のひとつである「椅子と日常展」に、このたび福岡では初めての織物作品を出展することになりました。
今回展示するのは、髙橋美穂子が企画した折りたたみ式の椅子と、その椅子のために制作したオリジナルのテキスタイルです。
京都で学んだ染色と織りの技術を礎に、この日のために染め重ねた糸を一筋ずつ織り込み、椅子を包み込む布として仕立てました。
テキスタイルデザインには、織物の組織を考案した綾織をふんだんに取り入れています。
光の当たり方によって静かに表情を変える織りの陰影、重なり合う糸の色彩、そして手仕事ならではの揺らぎ。
椅子という日常の道具の中に、小さな景色のような豊かさを宿せたらという想いで制作しました。
また、この機会にオリジナル冊子『Living TEXTILES Vol.1』も展示いたします。
織物を学びはじめてからの一年間を、写真と言葉とともに綴った小さな記録集です。
糸に触れ、色と向き合い、織りを通して見えてきた日々の感覚をまとめています。
ぜひ椅子とあわせて、手に取ってご覧いただけましたら嬉しく思います。
2026年は、新たな活動が少しずつ形になり、自らの作品を発表できる機会にも恵まれました。
まだ旅の途中ではありますが、織物という表現を通して、人の暮らしや空間に静かに寄り添う作品を、これからも丁寧に生み出していきたいと思っています。
「椅子と日常展」
会期
2026年5月28日(木)〜31日(日)
4日間会場
会場
fremtiden
〒819-0006 福岡県福岡市西区姪浜駅南1丁目10−20 MEINOHAMA STEPS 2F
開催時間10:30〜19:00(31日のみ〜17:00まで)
入場料 無料
詳しい内容はこちら
皆様のお越しをお待ちしております。
LAFSKETCH 髙橋美穂子
西陣・爪掻綴織との出会い──描くように織る、新たな表現へ
今年の春、京都・西陣に伝わる伝統技法「爪掻綴織」と出会いました。
指先の“爪”だけで文様を織り出すという、想像を超える繊細な世界。
絹糸が重なり合い、静かに浮かび上がる色彩は、まるで一枚の絵画のように雅な物語を紡いでいきます。
今回私は、この技法を実際に学び、自ら描いた模様をもとに綴れ織りとして表現する体験をしました。
2021年に織物を始めた当初、平織りから綾織りへと進んできました。
それは織物の基礎であり、多くの人が辿る道でもあります。
しかし綴れ織りは、その延長にありながらもまったく異なる世界でした。
糸を“織る”というより、“描く”。
一筋一筋を重ねながら、感覚と集中力で形を生み出していく――極めて細やかで、静かな対話のような作業です。
綴れ織り自体は日本に限らず、世界各地に見られる技法ですが、
なかでも西陣の「爪掻綴織」は、熟練の職人の手仕事によって磨き上げられてきた特別な存在です。
普段、何気なく目にする着物の帯に宿る雅な文様も、実はこの技法から生まれています。
今回の体験を通して、ふと浮かんだのはインテリアへの展開でした。
この綴れ織りをテーブルマットとして表現してみると――
伝統の中に、思いがけないほど新鮮なデザインの可能性が広がり、心が躍るのを感じました。
ただ、その道のりは決して容易ではありません。
特に円を描く表現は想像以上に難しく、初めての制作では驚くほどの時間を要しました。
それでも、幾度もの試行錯誤の先にこそ、新たな理解と感覚が宿る。
今回あらためて、技術の奥深さと向き合う意味を実感しました。
_自分の爪に、櫛のようにヤスリで彫り、細い絹糸で模様を描いていきます。
さまざまな土地を訪れ、その地域の文化や歴史に触れながら、技を磨いていく。
この「織物の旅」は、これからも続いていきます。
経験すること。試すこと。使うこと。
過去から現在へ、そして未来へとつながる「ワタシ・テキスタイル」の物語。
どうぞ、これからの展開も楽しみにしていただけたら嬉しいです。






