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DESIGN WEEKEND FUKUOKA Vol.0 2026年 新たな活動、出会い、そして景色へ
2026年。新緑の光が街をやわらかく包み込む季節に、新たなプロジェクトが静かに動き始めました。
その名は「デザインウィークエンド福岡」。
福岡のまちを巡りながら、多様なデザインや表現に出会う回遊型のイベントです。若い感性を持つクリエイターから、長い年月を重ねて表現を磨いてきたデザイナーまで。それぞれの視点や思想が交差しながら、福岡という土地に息づく“ものづくり”の魅力を発信していきます。
会期は、5月28日から31日までの四日間。
LAFSKETCHの高橋美穂子は、プロジェクトマネージャーとして、この新たな挑戦を支えています。
振り返れば、2007年より事務局として携わった「デザイニング展」が2014年に幕を閉じ、その後2015年には、発起人としてホテル型アートフェア「アートフェアアジア福岡」を立ち上げました。そこから11年の時が過ぎ、多くの人や表現と出会いながら積み重ねてきた時間は、今回のプロジェクトにも静かに息づいています。
そして今、新たに集まったプロジェクトメンバーたち。それぞれが想いと力を持ち寄り、この四日間のために丁寧に準備を重ねています。単なる展示イベントではなく、人と人、感性と街がゆるやかにつながっていく場になればと願っています。
初夏の風を感じながら、ぜひ福岡の街を歩いてみてください。
きっとその先で、心に残るデザインや、新しい感性との出会いが待っています。
詳細はこちら https://weekendfukuoka.design/
椅子とテキスタイル、その静かな対話。DESIGN WEEKEND FUKUOKA 「椅子と日常展」へ初出展
2026年の新緑がやわらかく街を包みはじめる頃、福岡のまちを巡るデザインイベント「DESIGN WEEKEND FUKUOKA」の中で、「椅子と日常展」が開催されます。
その会場にて、このたび初めて作品を出展することとなりました。
今回展示するのは、髙橋美穂子が企画した折りたたみ式の椅子と、その椅子のために制作したオリジナルのテキスタイルです。
京都で学んだ染色と織りの技術を礎に、この日のために染め重ねた糸を一筋ずつ織り込み、椅子を包み込む布として仕立てました。
テキスタイルデザインには、自ら組織を考案した綾織をふんだんに取り入れています。
光の当たり方によって静かに表情を変える織りの陰影、重なり合う糸の色彩、そして手仕事ならではの揺らぎ。
椅子という日常の道具の中に、小さな景色のような豊かさを宿せたらという想いで制作しました。
また、この機会にオリジナル冊子『Living TEXTILES Vol.1』も展示いたします。
織物を学びはじめてからの一年間を、写真と言葉とともに綴った小さな記録集です。
糸に触れ、色と向き合い、織りを通して見えてきた日々の感覚をまとめています。
ぜひ椅子とあわせて、手に取ってご覧いただけましたら嬉しく思います。
2026年は、新たな活動が少しずつ形になり、自らの作品を発表できる機会にも恵まれました。
まだ旅の途中ではありますが、織物という表現を通して、人の暮らしや空間に静かに寄り添う作品を、これからも丁寧に生み出していきたいと思っています。
「椅子と日常展」
会期
2026年5月28日(木)〜31日(日)
4日間会場
会場
fremtiden
〒819-0006 福岡県福岡市西区姪浜駅南1丁目10−20 MEINOHAMA STEPS 2F
開催時間10:30〜19:00(31日のみ〜17:00まで)
入場料 無料
詳しい内容はこちら
西陣・爪掻綴織との出会い──描くように織る、新たな表現へ
今年の春、京都・西陣に伝わる伝統技法「爪掻綴織」と出会いました。
指先の“爪”だけで文様を織り出すという、想像を超える繊細な世界。
絹糸が重なり合い、静かに浮かび上がる色彩は、まるで一枚の絵画のように雅な物語を紡いでいきます。
今回私は、この技法を実際に学び、自ら描いた模様をもとに綴れ織りとして表現する体験をしました。
2021年に織物を始めた当初、平織りから綾織りへと進んできました。
それは織物の基礎であり、多くの人が辿る道でもあります。
しかし綴れ織りは、その延長にありながらもまったく異なる世界でした。
糸を“織る”というより、“描く”。
一筋一筋を重ねながら、感覚と集中力で形を生み出していく――極めて細やかで、静かな対話のような作業です。
綴れ織り自体は日本に限らず、世界各地に見られる技法ですが、
なかでも西陣の「爪掻綴織」は、熟練の職人の手仕事によって磨き上げられてきた特別な存在です。
普段、何気なく目にする着物の帯に宿る雅な文様も、実はこの技法から生まれています。
今回の体験を通して、ふと浮かんだのはインテリアへの展開でした。
この綴れ織りをテーブルマットとして表現してみると――
伝統の中に、思いがけないほど新鮮なデザインの可能性が広がり、心が躍るのを感じました。
ただ、その道のりは決して容易ではありません。
特に円を描く表現は想像以上に難しく、初めての制作では驚くほどの時間を要しました。
それでも、幾度もの試行錯誤の先にこそ、新たな理解と感覚が宿る。
今回あらためて、技術の奥深さと向き合う意味を実感しました。
_自分の爪に、櫛のようにヤスリで彫り、細い絹糸で模様を描いていきます。
さまざまな土地を訪れ、その地域の文化や歴史に触れながら、技を磨いていく。
この「織物の旅」は、これからも続いていきます。
経験すること。試すこと。使うこと。
過去から現在へ、そして未来へとつながる「ワタシ・テキスタイル」の物語。
どうぞ、これからの展開も楽しみにしていただけたら嬉しいです。
手のひらが喜ぶ、ノッティング織りの魅力
抽象画のように、色のグラデーションやコントラストを優雅に愉しみながら、創作したノッティング織りのラグマット。今回は中皿ぐらいの大きさとちょっと大きめの2種類を制作しました。
実はこれを椅子のマットより、テーブルやデスクに敷いて、アクセサリー、時計などを上に置き、普段使いとはちょっと違うインテリアの置きマットとして使っています。もちろん、椅子では少し小ぶりですが、充分に椅子マットでも使えます。このラグマットは何が一番良いかというと、だんぜん肌触りがたまらなく良い。手のひらで左右に撫でていくと肌に密着するような感覚の柔らかさが気持ち良く、ただ置いているだけでも楽しいと思えるラグマット。
普段使いのデスクに置き、ラグマットをお昼寝用のまくらにするのも意外と面白いです。今回は、特に色の配色がビビットな色彩を選び創作しました。部屋にまた新たなアクセントが加わり、楽しむインテリアのアイテムができて、なかなか嬉しいです。小さなマットは、横1列に並べたり、壁に飾ったり、それは自分なりに工夫を楽しんでいける自由さが沢山あります。小さなマットならではの使い易さにあるのかもしれません。そんな柔らかなアートピースは新しい暮らしの日用品。
さらなるアートピースをどんどん増やしていこうと今は次なる創作に心躍らせている時間です。この織りの魅力を体感できる機会がありましたら、ぜひ挑戦してみてください。
ひとつ、ひとつの組み合わせでマットの表情が変わり、それは使う人の好みで部屋の表情も面白く、楽しく変わっていく。
ラグマットの新しいカタチ、使い方はあなた次第。
色と質感のアートピース、あなたの日常へ。
その魅力をいつか。どこかで自分の手で創る機会を。
日常に寄り添う芸術:染色と織りの新たな可能性
今年の春に新しい冊子が完成し、その過程を記録した織物の物語。この続きから2024年秋に、驚くような素敵なことが繋がりました。今年があと2週間と残すことになり、その素敵な話と共に、この1年間の体験や視察から気づいた染織りと今の想いをお届けします。
キャンパスに絵を描くように、真っ白な糸に自然の色を重ねて染めていく、その染めあげた糸を経糸と緯糸で織っていく。その工程がまさに芸術を生みだしていく手仕事の世界ではないかと深く感じています。これが自分自身なりに思い描きながら、創りだしている織物であり、さらに暮らしに寄り添う日用品として使う日々の愉しさと豊かさが心にどんどん貯まっていきます。
手仕事で作った織物は、自然から抽出した色糸でコースター、テーブルマット、クッションカバーと次、次と織りあげた後にできあがる喜びと共に、それを部屋に飾り、普段の暮らしに新たなエッセンスを加えていく。それがたまらなく愛着をうみだし、暮らしに温かく彩りを加えていきます。そして、それはまた次なる創作へと膨らみ、進んでいくのです。
そもそも、染織りとは何か。と問われると一言では伝えきれないですが、それを少しだけ探ってみると、実は織りの技法は基本的に3つで分かれています。しかし、これがまた土地の文化や伝統的な技法などがあり、まだまだ染織りの歴史や内容は深く、魅力的で語りきれないぐらい沢山あります。
まずは最初の基本のキにある「平織り」で、糸から色を描いていく織りには、面白いほどに、ひとそれぞれの感性が生まれていきます。それは様々な場所を巡って、染織りの体験をしていく中でわかってきたことです。熟練の職人さんはもちろんのことですが、ここで書いている人それぞれは、まだ始めたばかりの方や職業としてではなく、長く織りをやっている方も含めて、染織りの世界に入ったら、その個性が織物の中にふつふつと浮かんでくる様は、まさしく感性の色であり、その人の色彩だと感じています。
実は、ここで素敵な話へと続きます。2024年福岡県立美術館で開催された県美展の工芸にて、自身の作品「色草組曲」の織りが入選しました。歳を重ねて歩んできたひとつの時代から新たに今発見した、好奇心揺さぶられた染織りの世界。そこから自分自身の感性から描きだし、織りあげた作品である織物。それが、この機会にこのような賞を頂き、大変嬉しく、心にまたひとつの花の種を手に入れたような気持ちです。
2022年京都に通い、1年間技能を学んだ時は
何度もくじけそうになる修練に、心身ともに挫折しないかと自分に問いかけながら、とにかく染織りの魅力だけが支えに奮起した思いが今でもよみがえります。この全ての事と場所に感謝したい。そう願って、今はこれからの可能性にさらなる修練し、沢山の自然にある色彩や染織り技法をもっともっと知りたいと日々の織りと共に歩んでいます。
何がどうなかるか、わからないからこそ、心が引き寄せられるものや人、場所にはぜひ行ってみる。その行動や勇気は、きっと新たな可能性の種になると実感できた1年でした。
来年も臆せず、興味ある事には常に体感できるように心身共に丈夫でありたいと願います。
2025年を前に、来年も皆様が良いめぐり逢いを重ねられますように。





